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万博公園ツーリングレポート

淡色の空には薄く雲が伸びていた。雨が降る気配はない。早朝に家を出れば豊岡まで行けたかもしれない、と後悔にも似た感情が頭に浮かんだが、明日天気が崩れることを考えると、これが最善策に思えた。
「これ」。つまりは吹田市万博公園を目的地にしたことだが、ここはWで行くにはあまりに近く、電車で行くには乗り換えが煩わしく、一生行かないと思っていた場所だった。

しかし残された時間、天候を思うと万博公園ぐらいしか行けそうになかった。こんな近場に貴重な燃料を使ってまで行く必要があるのかと考えたが、Wに乗れることを考えると、それはとても些細な問題に思えた。

革のジャンパーを掴む。

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 公園入り口のゲートをくぐると、白い塔が目に入った。言わずと知れた太陽の塔であるが、正面から見たのは初めてだった。私の呼吸が一瞬止まる。

太陽の塔を見るのはこれが初めてではなかった。絵でも写真でも、名神高速からは数秒とはいえ、実物も見たことはあった。しかし、正面に立つと全く違うものに思えた。例えるとそうだ、静止する怪物。しんと動かず機会を待つ貪欲な怪物に見えた。正面に立つと、その静かな迫力に目眩を覚えた。息がうまく吸えない。
巨大な芸術品とは全てこういうものなのだろうか、それとも規模の大きい建造物には例外なくこの言いようもない力を感じるのだろうか。
私は逃げるようにその場を立ち去った。記念写真を撮る人々の、蝋で固めたような笑顔が頭の中でぐるぐると回っていた。 

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園内は人で溢れていた。年齢層に統一性は見られなかったが、例に違わず誰かと一緒にいた。1人でいるのは私だけのように思えたが、特に気になることではなかった。たとえ誰かと来ていたとしても、たぶん私は同じことを思っている。

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木で組まれた、比較的高度のある道の先にやぐらが建てられていた。道の途中で聞き慣れない単語を多く目にしたが、このやぐらのことだったか。見れば私を追い越していった人たちがやぐらの上に集まっている。やはり皆、高いところが好むらしい。高いところから遠くを見るより、高いものを眺めた方がよっぽど面白いと思うのだが。
と、学生の頃はこういう「人と違う自分」が大好きで仕方がなかったが、同じような人間を北アルプスで多く目撃、強い嫌悪感と恥ずかしさに頭痛がした。詩人の金子みすずが「みんな違ってみんないい」と有名な著作の中で発言していたが、全くその通りである。社会的な生活を営んでいる以上、私に誰かを批判をする資格はない。

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園内には機関車が2台走っていた。停留所も点在し、実用的である。自転車などがあれば一気に廃れるだろうが、園内に二輪車を持ち込むことはできない。できた仕組みだと思う。
ただ、乗客が手を振ってくるのには参った。いったい私にどうしろと言うのか。

 

機関車を見送り、出口ゲートへ足を運ぶ。 

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隣接するエキスポシティに立ち寄った。屋内のせいか、さらに人が多いように見える。用があって来た訳ではないが、名神高速を走るたび、気にはなっていた。あの巨大な観覧車は嫌でも目に入るのだ。聞けば日本一高い観覧車だという。興味はあったが、乗りはしなかった。革ジャンにカメラに観覧車はそれなりに目立つ。自意識過剰と言われればそれまでだが、用心に越したことはない。大人も一人になれば弱いものだ。

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最後にバイクの駐輪場について紹介しておく。

停められる場所は万博記念公園駅の真下。自転車などと一緒に駐車ができる。ただ、グーグルマップでここをナビ登録すると中央環状線の途中で案内を終了してしまう。駅がナビ終了地点の真横にあるので仕方がないと言えば仕方がない。特に私などは中途半端に設定していたせいで、同じところをぐるぐる回ってしまった。横着せず、駅の入り口周辺を拡大してから案内を開始することをおすすめする。
また、万博公園の入園料は250円である。お忘れにならないよう。

2017年3月25日 大阪府吹田市千里万博公園1-1